■ ブランド戦略において「ブランドを愛するのは誰か?」
ブランドを愛するのは、単に「お客さん」だけではありません。実は、ブランドを取り巻くさまざまなステークホルダー(関係者)が「愛する主体」になり得ます。それぞれの立場から、ブランドに特別な価値を感じ、思い入れを持っています。
では、具体的に誰がブランドを愛しているのでしょうか?以下にわかりやすく整理してみます。
- ① 消費者(ファン・ユーザー)
- ② 社員・従業員
- ③ パートナー企業・仕入先・販売代理店など
- ④ 地域社会・行政・メディアなど
- ⑤ 経営者・創業者・ブランドマネージャー自身
- 【① 消費者がブランドを愛するとは?】
- 【② 社員・従業員がブランドを愛するとは?】
- 【③ パートナー企業・仕入先・販売代理店などがブランドを愛するとは?】
- 【④ 地域社会・行政・メディアなどがブランドを愛するとは?】
- 【⑤ 経営者・創業者・ブランドマネージャーがブランドを愛するとは?】
① 消費者(ファン・ユーザー)
ブランドを最もわかりやすく「愛する」のは、実際に商品やサービスを使っている消費者です。
- 感情的なつながり:ブランドに信頼や愛着を持つ。「このブランドしか使わない」「このブランドは私のライフスタイルに合っている」と感じる。
- 共感する価値観:環境配慮、健康志向、デザイン性など、そのブランドの「思想」や「世界観」に共鳴している。
- 応援したくなる:ブランドのストーリーや創業者の理念に感動し、自発的にSNSでシェアしたり、友人に勧めたりする。
※こうした人々は「ブランド・エバンジェリスト(伝道者)」とも呼ばれます。
② 社員・従業員
意外と見落とされがちですが、社内の人間がブランドを愛していなければ、外に本当の魅力は伝わりません。
- 誇りとモチベーション:「自分たちのブランドは素晴らしい」と心から思って働いている。
- ブランドの一部としての自覚:「自分の行動がブランドを代表している」という責任感。
- 顧客との接点での体現者:販売スタッフ、カスタマーサポートなどがブランドイメージを左右する重要な存在。
③ パートナー企業・仕入先・販売代理店など
ブランドとビジネスを一緒に進める関係者も、愛してくれる存在になります。
- ブランドと一緒に成長したい:このブランドと関わることが、自分たちの会社の価値にもつながる。
- 誇りを持って販売・提案できる:自信を持って「このブランドを扱っている」と言える。
④ 地域社会・行政・メディアなど
特に地域密着型ブランドや、社会貢献性のあるブランドは、**「社会からの共感」**という形でも愛されます。
- 地元の誇り:「このブランドは私たちの地域の象徴」として応援される。
- CSR活動に共鳴:環境保全、福祉、教育支援などの活動を通じて、社会とのつながりを深める。
⑤ 経営者・創業者・ブランドマネージャー自身
当然ながら、ブランドの中心人物が**「まず一番のファン」であること**が重要です。
- 自らが語る熱量が他者に伝播する。
- 理念や哲学を誰よりも深く理解し、守る。
- 長期視点でブランドを育てる覚悟を持つ。
■ まとめ:ブランドを愛する「輪」を広げることが戦略のカギ
ブランド戦略とは、単に「顧客に売ること」だけではなく、
ブランドを愛する人を増やし、その愛が伝播していく構造をつくることです。
そのためには、
- 社員が誇りを持てるブランドづくり
- 顧客と深くつながるストーリーテリング
- 共感するパートナーとの関係構築
- 地域社会との共創や、社会的意義の明確化
…といった要素が非常に重要になります。
【① 消費者がブランドを愛するとは?】
ブランド戦略の中心にいるのが「消費者=お客さん」です。
でも、ただ買ってくれるだけでは「愛している」とは言えません。
消費者がブランドを「愛している」と言えるのは、感情や価値観、ライフスタイルレベルで深く結びついている状態です。
では、どんなふうに消費者はブランドを愛するようになるのでしょうか?
順を追って解説します。
■ 消費者の「ブランド愛」のレベル
ブランドに対する愛には段階があります。
【1】知らない → 【2】気になる → 【3】使ってみる → 【4】好きになる → 【5】愛する
特に【4】から【5】への進化が、ブランド戦略のカギ。
この「愛している状態」は、こんな行動や心理に表れます:
■ 消費者がブランドを愛しているサイン(行動例)
- リピート購入する(指名買い)
- 他の商品が安くても、絶対このブランドを選ぶ
- 「代わりはない」と思っている
- 人にすすめる(クチコミ)
- 家族や友達に「これ、いいよ!」と紹介する
- SNSで自発的にシェア・レビューを書く
- 共感している(価値観の一致)
- ブランドの世界観・デザイン・理念に惹かれる
例:「このブランドは環境にやさしいから使いたい」「社会貢献している姿勢に共感する」
- ブランドの世界観・デザイン・理念に惹かれる
- コレクター的な心理
- 限定アイテムを追いかける
- グッズやノベルティを集めたくなる
- 一体感を感じている
- 自分もブランドの一員になっている感覚
例:「○○ブランドのファンであることが私のアイデンティティ」
- 自分もブランドの一員になっている感覚
■ どうして消費者はブランドを愛するようになるの?
理由は大きく3つあります。
①【機能的価値】期待通り、またはそれ以上の品質
- 美味しい、壊れにくい、便利、安い、使いやすいなど
- 期待を超える「驚き」や「満足感」があるとファン化しやすい
②【感情的価値】自分の感情に寄り添ってくれる
- デザインがかわいい・かっこいい
- 自分を元気にしてくれる・癒してくれる
- 自分の「好き」をわかってくれてる感じ
③【象徴的価値】自分を表現できる
- このブランドを使うことで、「自分らしさ」が伝わる
- 他人からの評価(センスいい、意識高い、上品など)を得られる
■ ブランド側がやるべきこと
愛されるブランドになるには、以下のような取り組みが重要です。
- 「らしさ」を明確に打ち出す(世界観、ストーリー、ロゴ、トーン)
- 顧客の声に真摯に耳を傾ける(SNS、レビュー、アンケート)
- 小さな感動を届ける(丁寧な対応、サプライズ、心のこもったパッケージ)
- 共感を呼ぶ発信をする(理念、社会的取り組みの共有)
- ファンとのコミュニティを育てる(イベント、限定特典、SNSでの交流)
■ 例:ブランド愛を持つ消費者の姿
- Apple:新商品が出ると毎回予約する。ジョブズの思想に共感。Apple製品で生活を統一。
- Patagonia:環境保護活動に共感して、少し高くてもこのブランドを選ぶ。
- 無印良品:シンプルな暮らしに合う。SNSで「無印縛りの部屋」を紹介。
消費者がブランドを「愛している」状態は、価格競争に巻き込まれない強さ、クチコミによる自然な広がり、長期的な関係性といったブランドの資産価値そのものになります。
「ブランドは、商品ではなく“人の心の中”にある」とよく言われますが、まさにその通り。
心を動かした人の中に、ブランドは生き続けます。
【② 社員・従業員がブランドを愛するとは?】
ブランドをつくるのは、商品でも広告でもなく、**「人の思いと行動」**です。
そしてその中心にいるのが、自社で働く社員・従業員たちです。
彼らがブランドを「単なる仕事」ではなく、「自分の誇り」「大切な存在」として愛していなければ、
顧客に本当の魅力を伝えることはできません。
■ 社員がブランドを愛している状態とは?
次のような心の状態や行動が見られるとき、社員はブランドを「愛している」と言えます。
● 誇りを持って働いている
- 「この会社の商品・サービスは本当に良い」と信じている
- 家族や友人にも「うちの会社はいいよ」と自信を持って話す
● ブランドの価値を体現している
- 接客・営業・SNS発信などで、ブランドの世界観や理念を意識した行動をしている
- ブランドの「らしさ」を自分なりに解釈して伝えようとしている
● 自分ごと化している
- 自社のブランドの未来を自分のことのように考える
- 商品開発や改善案に積極的に関わる
- 「会社を良くする」ではなく「私たちのブランドを育てる」という意識
● 顧客の共感を呼ぶ“リアルな存在”になっている
- 顧客が社員の人柄や想いに惹かれてブランドを好きになる
- 「あなたがいるから買いたい」と言われることがある
■ なぜ社員がブランドを愛することが重要なのか?
① 顧客に本物の“熱”が伝わるから
- 本当にその商品が好きな人から買うと、信頼できる
- 機能説明以上に、「その人の想い」がブランドの魅力を伝える
② 社内文化がブランド力になるから
- 外に見せるブランドだけでなく、中で働く人たちの姿こそがブランドの一部
- 社員が自社ブランドに誇りを持って働く姿が、SNSやイベント、口コミで伝播する
③ 離職率が下がる・エンゲージメントが上がるから
- 単なる労働ではなく、「共感する仕事」「誇れる仕事」になると人は辞めにくくなる
- チームワークや士気も上がり、職場に良い空気が生まれる
■ 社員がブランドを愛するようになるために必要なこと
ここが戦略上、とても重要なポイントです。
社員が自然にブランドを好きになるには、次のような「環境」と「仕組み」が必要です。
● 1. ブランド理念の“共感できる言語化”
- 「なぜこのブランドが存在するのか」「誰のどんな未来のためか」を、社員の言葉で伝えられるようにする
- 抽象的でなく、自分ごととして腹落ちできるストーリーがある
● 2. 社員自身が「顧客体験」を持つ
- 自社の商品を実際に使ってみる(試食・モニター・体験イベントなど)
- 顧客の声を直接聞く機会を持つ(接客、レビュー、感謝の手紙など)
● 3. 組織内で「良いブランド行動」を称賛する文化
- 顧客の感動体験を生んだ社員を表彰する
- ブランドらしい行動が社内で評価されるようにする
● 4. 上司・経営層の熱意が伝わっている
- リーダーがブランドを愛している姿が社員に影響を与える
- トップがブランドの理念を「本気で信じている」と感じられると、社員も心を動かされる
● 5. 意見を言える・参加できる風土
- 現場からブランドに対する改善アイデアが上がりやすい
- 一部の部署だけでなく、全員がブランドづくりに関われる
■ 具体例(企業の事例)
◎ スターバックス
- バリスタ一人ひとりが「ブランドの顔」であるという意識を持って接客
- 「お客様一人ひとりの心を豊かで活力あるものにする」理念を、全員が体現している
◎ ユニクロ
- 社員が「LifeWear」というコンセプトを理解し、商品説明に活かしている
- 単なる接客ではなく、「お客様の暮らしに合う提案」ができるよう教育されている
■ まとめ
社員がブランドを愛していれば、それは「生きたブランド」になります。
- 社員 → 顧客 → 社会へと、愛が波紋のように広がっていく
- 愛されるブランドをつくる第一歩は、社員自身がその魅力に惚れ込むこと
- 「うちの会社、マジでいいんだよ」と、自然に語れる社員が増えることが最高のブランド戦略
【③ パートナー企業・仕入先・販売代理店などがブランドを愛するとは?】
ブランドは、社内や消費者だけでつくられるものではありません。
ブランドの価値を一緒に「届ける」「支える」立場の企業・人々がいてこそ、世の中に広く根付いていきます。
こうした企業は「パートナー」や「取引先」と呼ばれますが、単なるビジネス相手ではなく、**共にブランドを育てる“仲間”**と考えるのが、強いブランド戦略です。
■ どんなパートナーがブランドを愛してくれるのか?
- 販売代理店:ブランド商品を店頭・EC・営業などで販売してくれる
- 仕入先・OEMメーカー:ブランド商品の材料や製造を担う
- 物流・配送業者:商品を大切に運び、ブランドの信頼を支える
- PR・広告代理店:ブランドイメージを一緒につくりあげる
- コンサル・戦略パートナー:ブランドの方針や展開に伴走する存在
■ ブランドを愛するパートナーの特徴とは?
パートナーがブランドを「愛している」と言えるのは、以下のような状態です。
● 商品やブランドを“誇り”を持って扱っている
- 「このブランドを取り扱っていること自体が嬉しい」
- 営業トークや店舗での売り場に「愛着」がにじみ出ている
● 自社の商品と同じくらい大切にしてくれている
- 品質を守るために丁寧に取り扱う
- ブランドの世界観や価値を理解し、それに合わせて工夫してくれる
● ブランドの成長に本気で協力してくれる
- 市場のニーズや改善点をフィードバックしてくれる
- SNSでの発信やイベント企画などにも積極的に関わってくれる
● 他のブランドと一線を画す扱いをしてくれる
- 優先的な棚位置、販売員の教育、丁寧な紹介など
- 単なる商品ではなく「このブランドだからこそ」と感じている
■ なぜパートナーに愛されることが重要なのか?
① 顧客に届くまでの「ブランド体験」が保たれる
- パートナーが丁寧に商品を伝えてくれることで、消費者にも愛が伝わる
- 「誰から買ったか」や「どんな対応だったか」もブランド体験の一部
② 販路・事業展開がスムーズになる
- 「このブランドなら応援したい」「一緒に広めたい」と思ってもらえると、販路拡大や新しい市場開拓がしやすくなる
③ クオリティと信頼性の維持につながる
- 製造・物流・PRなどの質が安定・向上しやすい
- 問題が起きた時も「一緒に解決しよう」という姿勢で動いてくれる
■ パートナーがブランドを愛するようになるために必要なこと
● 1. パートナーを「外部」ではなく「仲間」として扱う
- 上から目線ではなく、対等な信頼関係を築く
- 「取引先」ではなく「ブランドを一緒につくる同志」として接する
● 2. ブランドの理念や世界観をしっかり共有する
- ただの仕様書ではなく、「なぜこのブランドが生まれたのか」「どんな未来をつくりたいのか」を伝える
- ブランドブックや説明会、動画などでストーリーを共有する
● 3. 成果を一緒に喜び、感謝を伝える
- 売上やPRがうまくいったときに、感謝を言葉や形で表す(表彰、手紙、贈り物など)
- 「あなたのおかげでこのブランドがここまで来た」と感じてもらう
● 4. 継続的なコミュニケーション・フォロー
- 定期的に情報交換・ミーティングを行い、困りごとや現場の声を吸い上げる
- 教育・研修の機会を提供する
■ 具体例(ブランド×パートナーの成功例)
◎ BEAMS × 地方百貨店
- 地方の販売店とも強い信頼関係を築き、BEAMSの商品をその土地に合った形で展開
- 一緒にPOPUPイベントや特集ページを企画
◎ スノーピーク × 協力工場
- 製造現場の職人たちが「スノーピークの製品を作っていることに誇り」を感じている
- ブランドチームが工場に頻繁に足を運び、理念を伝え続けている
■ まとめ
パートナー企業がブランドを「自分ごと」として大切に扱ってくれるとき、ブランドは強く、長く、生き続けます。
- ブランドを広めるのは、社内だけではない
- 一緒に汗をかくパートナーが、「このブランドを売ってよかった」「もっと広めたい」と思ってくれることが、最高の武器になる
【④ 地域社会・行政・メディアなどがブランドを愛するとは?】
ブランドが社会に根づき、長く愛される存在になるには、消費者や社員だけでなく、地域社会や周囲のステークホルダーからの「信頼」や「共感」も不可欠です。
これらの存在は、必ずしも商品を買う「顧客」ではありません。
でも、ブランドの世界観や取り組みに共鳴し、「応援したい」「誇りに思う」と感じてくれることで、ブランドの信頼性や影響力が大きく高まります。
■ ブランドを愛してくれる“社会的ステークホルダー”とは?
以下のような人たち・組織が、ブランドに対して「愛情」や「誇り」を持つ存在になり得ます。
- 地域住民・地元の人たち
- 地元自治体や行政関係者
- 教育機関・文化施設
- 地域メディア(新聞・テレビ・ラジオ)
- 地場産業の他企業や商店街
- 観光客・地域に関心のある人々
■ 地域社会やメディアがブランドを「愛している」状態とは?
次のような行動や言葉が見られるとき、「このブランドは地域や社会から愛されている」と言えます。
● 「地元の誇り」として語られている
- 「うちの町にはあのブランドがある」と胸を張って言われる
- ふるさと納税や観光PRでも紹介される
● 自発的に応援されている
- 地域の人たちがSNSや口コミでブランドを紹介してくれる
- 地元のイベントに招かれたり、地元商品とのコラボを頼まれたりする
● 社会的な意義を評価されている
- 環境保護、教育支援、障がい者雇用などの活動に共感される
- 「単なる商売ではない」「地域に良いことをしてくれている」と思われる
● 地域メディアや行政が紹介・連携してくれる
- 地元新聞に取り上げられたり、自治体と連携したプロジェクトに参加できたりする
- 「このブランドなら公的に支援したい」と言われる
■ なぜ地域社会から愛されることが重要なのか?
① 信頼性・ブランド価値が社会的に認められる
- 顧客からの信頼だけでなく、社会からの信頼が加わることで、ブランドの「格」が上がる
- 安心・安全・誠実といった無形の価値が強化される
② 持続可能なビジネス基盤が築ける
- 行政や地域と連携することで、補助金や協力体制を得やすくなる
- 突発的な危機(災害・社会変化)に対して、地域との協力で乗り越えやすくなる
③ ブランドの「ファン」が広がる土壌になる
- 地域イベント・学校・公共施設などを通じて接点が広がる
- メディアに取り上げられ、まだ買ったことのない人にも「印象」が残る
■ ブランドが地域や社会から愛されるために必要なこと
● 1. 地域への貢献を大切にする
- 地元の雇用創出、廃校活用、地元素材の使用など「地域と共にある」姿勢を持つ
- 地元イベントへの協賛や協力、地元企業とのコラボも効果的
● 2. ストーリーと理念を地域に開く
- なぜこの地で事業をしているのか?という想いを語る
- 社内の思いを、外部に向けても丁寧に発信する(プレスリリース、動画、地域紙など)
● 3. 地域の人とのつながりを大切にする
- お客さんではなくても、工場見学・ワークショップ・イベントなどで接点をつくる
- 地域住民をモニターや応援団として巻き込む仕組みをつくる
● 4. 社会課題に向き合う
- 地域特有の課題(高齢化、人口減、ゴミ問題など)にブランドとしてアプローチする
- CSR・CSV(社会価値創造)を組み込んだビジネスモデルを設計する
■ 具体例(社会・地域から愛されるブランド)
◎ 中川政七商店(奈良)
- 奈良の伝統工芸を現代的にブランディング
- 地元職人との協業、観光資源化、地元メディアとの連携などで「奈良の顔」となる
◎ 白糠酪恵舎(北海道)
- 小さな町のチーズ工房が、地域の高校や住民と一緒にブランドを育成
- 地元の自然・文化・人材を活かし、道内外からも愛されている
◎ 無印良品の地域密着店舗(津南町など)
- 地域の産業・食・住に寄り添う「まちの無印」
- 行政・地域住民と連携し、商業施設ではなく“地域の拠点”として機能
■ まとめ
ブランドを「社会の中の存在」として捉えると、その価値は何倍にも膨らみます。
- 地域や社会に根ざしたブランドは、強く、優しく、長く愛される
- 商品のスペックやデザイン以上に、「このブランドが地域にあること」が人々の誇りになる
【⑤ 経営者・創業者・ブランドマネージャーがブランドを愛するとは?】
どんなに素晴らしいコンセプトでも、
経営者やブランドのリーダー自身が本気でブランドを愛していなければ、ブランドは育ちません。
なぜなら、ブランドは「想いの結晶」であり、最初にそれを強く抱くのが、創業者・経営者・ブランドマネージャーだからです。
■ ブランドを愛するリーダーの姿とは?
単に「うちのブランドはいいですよ」と宣伝するだけではなく、
以下のような行動や姿勢が、ブランドへの愛を表しています。
● ① 自らブランドの価値を語れる(言葉にできる)
- なぜこのブランドをつくったのか
- 誰に、どんな価値を届けたいのか
- どんな未来をこのブランドで実現したいのか
👉 この「想い」が、自分の言葉で語れるかどうかがカギです。
● ② 誰よりもブランドを信じている
- 売上が落ち込んでも、「このブランドの価値はある」と信じられる
- 他人から否定されてもブレない
- 新しいチャレンジでも、ブランドらしさを軸に判断できる
👉 愛があるからこそ、ブレずに貫ける。
● ③ 自分が「最初のファン」である
- 自分自身がブランドの商品やサービスを心から好きで使っている
- 「これは売れるから作った」のではなく、「これは自分もほしいと思ったから作った」と言える
👉 この“推し活マインド”は、消費者にも強く伝わります。
● ④ ブランドの理想像を持っている
- 「このブランドが10年後、どんな存在になっていたいか?」が見えている
- 目先の売上より、ブランドの“人格”を大切にしている
👉 ブランドは育てるもの。目指すゴールがあるから一貫性が保たれる。
● ⑤ 社員やパートナーにブランドの理念を語り、伝えている
- 日々のコミュニケーションの中で、ブランドへの想いを語っている
- 言葉だけでなく、自分の行動そのもので「ブランドらしさ」を示している
👉 リーダーの「本気」が、周囲に火をつけていく。
■ なぜ、経営者自身がブランドを愛することが重要なのか?
① ブランドの“魂”になる
ブランドの核となる哲学や世界観は、経営者の価値観から始まります。
創業者の想いがブランドのDNAです。
👉 経営者の想いが弱いと、ブランドが薄っぺらくなる。
② 社内外の共感を生む
社員・パートナー・顧客…誰もがリーダーの熱量に影響を受けます。
本気でブランドを愛しているリーダーの言葉は、共感と信頼を生みます。
👉 企業の顔として、ブランドの“語り手”になることが求められます。
③ 意思決定がブレない
目先の利益や流行に流されず、「このブランドにとって大切なことは何か?」という判断軸が持てます。
👉 一貫した意思決定が、ブランドの信頼につながる。
■ ブランドを愛するリーダーになるための実践ポイント
● 1. ブランドの「存在意義」を明文化する
- ミッション・ビジョン・バリューを自分の言葉で定義する
- 商品説明ではなく「なぜやるのか?」を語れるようにする
● 2. 商品やサービスを自分で使い、自分が一番のファンになる
- 毎日使う/試食する/現場に足を運ぶ
- 「自分が感動できないものを売らない」という姿勢
● 3. ブランドらしい行動を日々とる
- 社員やパートナーに対する接し方も「ブランドらしく」
- 外に出る姿、SNSの言葉遣い、服装、空気感も含めて「ブランドの体現者」となる
● 4. ブランドに関わる人の声に耳を傾ける
- 顧客、社員、販売員などからフィードバックを受け、自分の価値観を磨く
- 「ブランドの進化」を恐れず、愛をもって育てていく
■ 具体例(ブランドを愛するリーダーの姿)
◎ スティーブ・ジョブズ(Apple)
- 商品プレゼンは“販売”ではなく“感情と世界観の伝達”
- 「顧客は製品に恋をするべきだ」と考えていた
◎ 柳井正(ユニクロ)
- LifeWearの思想を自ら繰り返し語ることで、全世界の社員・顧客に浸透
- トレンドより“普遍性”を重視し続けるブランド哲学を貫いている
◎ スノーピーク 創業者 山井太(やまいとおる)
- 「キャンプは人間回復の装置」と語り、製品一つひとつに思想を込める
- 製品開発にも現場にも、今も自ら深く関与
■ まとめ
ブランドは、リーダーの愛情と覚悟によって“人格”を持ちます。
- ブランドを愛しているからこそ、語れる
- ブランドを信じているからこそ、貫ける
- ブランドを育てたいからこそ、人を巻き込める
だからこそ、経営者・創業者・ブランドマネージャーが「ブランドの一番のファン」であることは、戦略の中核です。
コメント