1.敵は誰か(=アンチテーゼ、課題、打倒すべき現状)
ブランドが立ち向かう「敵」とは、単に競合他社ではなく、世の中の「課題」や「常識」「時代遅れの価値観」を指します。
ブランドが生まれた背景や使命に深く関わります。
例:
- ダイソン → 「吸引力の落ちる掃除機」(技術的限界への挑戦)
- LUSH → 「動物実験を前提にした化粧品業界」
- UNIQLO → 「高品質=高価格という常識」
敵を明確にすることで、ブランドの立ち位置や、顧客との共感ポイントが生まれます。
2.なんと呼ばれているか(=ブランドのキャッチコピー、役割、立ち位置)
ここでは、ブランドをひとことで表す「異名」や「肩書き」を考えます。
これが「ブランドの名刺」になり、人々の記憶に残る言葉になります。
例:
- IKEA → 「民主化されたデザイン家具」
- Patagonia → 「環境活動家が作るアウトドアウェア」
- Apple → 「クリエイターのためのテクノロジー企業」
この肩書きによって、ブランドが「誰のために、どんな価値を提供しているのか」が一目でわかります。
3.ブランドをどう説明するか(=ストーリーや価値の伝え方)
ブランドの魅力や世界観を、短く端的に、かつ魅力的に説明する方法です。
ここには、ブランドのミッション・ビジョン・情熱・顧客へのベネフィットが込められています。
例:
- スターバックス → 「一杯のコーヒーから特別な時間と空間を届ける」
- Nike → 「誰もがアスリートになれる。Just Do It.」
- MUJI(無印良品)→ 「これでいい、という気持ちよさ」
伝えるべきは、単なる商品スペックではなく、「なぜそれを提供するのか」という想いです。
◆「敵は誰か」とは?
ここで言う「敵」とは、以下のようなものを指します:
- 業界の常識(例:高級=高品質)
- 社会課題(例:環境破壊、格差、孤独)
- 既存の価値観(例:男らしさ/女らしさとは?)
- 使いづらい製品・サービス(例:操作が複雑、価格が不透明)
- 顧客が抱えているフラストレーション(例:時間がない、選択肢が多すぎる)
この「敵」を明確にすることで、ブランドが「なぜ存在するのか(存在意義)」がはっきりします。
人は「共通の敵を持つ者」に親近感を覚えるので、顧客の共感を呼ぶ強力な武器になります。
◆「敵」を設定するメリット
- ブランドの立ち位置がはっきりする
→ 競合との差別化が明確になる。 - 顧客との“感情的つながり”ができる
→ 共通の敵を持つことで、「このブランド、わかってる」と思ってもらえる。 - 強いストーリー性が生まれる
→ 戦う対象があることで、ブランドの物語にドラマが生まれる。
◆敵のタイプ:4つの代表例
敵のタイプ | 例 | 解説 |
---|---|---|
① 時代遅れの常識 | 「おしゃれは我慢」 | 機能性とデザインを両立するブランドがこれに挑む |
② 巨大で不透明な仕組み | 保険会社、通信会社の高額料金 | 顧客に不信感を与える存在 |
③ 顧客の不満・不安 | 「高いけど効果があるの?」 | 商品選びの不安を解消する |
④ 社会的・環境的課題 | プラスチックごみ、労働搾取 | ミッションドリブンなブランドによく見られる |
◆具体例
- Dyson(ダイソン)
→ 敵:「吸引力の落ちる掃除機」
→ 従来の掃除機が持つ「時間と共に吸引力が落ちる」問題を技術で解決 - Uber
→ 敵:「タクシー業界の不透明な料金と非効率な配車」
→ アプリで誰でも安心・明朗に利用できる仕組みを作った - スターバックス
→ 敵:「味気ない日常」や「ただのコーヒーショップ」
→ サードプレイス(第3の場所)として「心地よい体験」を提供 - Apple(初期)
→ 敵:「冷たく無機質なIBMのコンピュータ文化」
→ 個性や創造性を大切にするユーザーの味方として登場
◆どうやって「敵」を見つけるか?
以下のような質問を自分に投げかけてみるとよいです:
- 顧客がいま抱えている「イライラ」「がっかり」は何か?
- 業界の中で「本当はおかしいのに放置されている常識」はないか?
- 自分たちが「絶対に変えたい/許せない」と思っているものは?
◆まとめ
「敵」は、ブランドが闘う“問題の象徴”です。
敵を明確にすればするほど、ブランドの個性・方向性・熱意が伝わります。
必要があれば、あなたのブランド(または立ち上げたいビジネス)にとっての「敵」を一緒に考えることもできます!どんな分野でお考えですか?
◆「なんと呼ばれているか」とは?
これはブランドのあだ名・キャッチコピー・肩書き・象徴的な表現のことです。
つまり、ブランドの「立ち位置」や「役割」を、ひとことで伝えるラベルです。
このフレーズによって、人々がブランドをすぐに理解し、覚え、語れるようになります。
◆なぜ重要なのか?
- 認知・記憶に残る
→ パッと伝わるひとことがあると、広まりやすくなる(口コミ・SNSでも強い) - 顧客が共感しやすい
→ 何のために存在するブランドかが一瞬で伝わる - 選ばれる理由が明確になる
→ 「ああ、あのブランドね。〇〇なやつでしょ」と理解される
◆良い「呼ばれ方」の特徴
特徴 | 説明 |
---|---|
シンプル | 難しい言葉を使わず、パッと伝わる |
独自性がある | 他と被らない、オリジナルな表現 |
顧客目線 | 顧客が使いたくなる、語りたくなる |
価値を含む | 「何をしてくれるのか」が想像できる |
◆具体例
ブランド | 呼ばれ方(キャッチコピー) | 意味・立ち位置 |
---|---|---|
Airbnb | 「世界中に暮らすように泊まる」 | ホテルじゃない、現地の暮らし体験を提供する |
Apple | 「クリエイターのためのテクノロジー」 | 個性・創造性を重視する人のための道具 |
Patagonia | 「地球を守るための企業」 | アウトドアブランド以上の社会的姿勢 |
MUJI(無印良品) | 「これでいい」 | 過剰を排した“ちょうどいい”という美学 |
ZOZOTOWN | 「ファッションのデパート」 | ネット上の大型セレクトショップ |
IKEA | 「デザイン家具の民主化」 | おしゃれで安くて誰でも買える家具文化 |
◆作り方のヒント(テンプレート)
- [○○のための△△]
例:忙しいママのための5分レシピ - [新しい○○]
例:新しい学びのカタチ(スタディサプリ) - [○○を変える△△]
例:お金の未来を変えるアプリ(マネーフォワード) - [〇〇じゃない△△]
例:銀行じゃない“みんなの金融機関”(GMOあおぞらネット銀行)
◆注意点
- 「自分たちが言いたいこと」ではなく「顧客がそう呼びたくなるもの」にする
- 抽象的すぎると何のことかわからない(例:「未来を創る」だけでは弱い)
- 長すぎると記憶に残らない
◆まとめ
「なんと呼ばれているか」は、ブランドが頭の中に残るか、語られるか、信頼されるかを左右する重要な要素です。
いわば、**名刺よりも先に届く“ブランドの名乗り”**のようなもの。
もしあなたのブランドやアイデアがあれば、それに合う呼ばれ方を一緒に考えることもできますよ!
ジャンルや特徴、届けたい相手など、教えてもらえたら提案します。
◆「ブランドをどう説明するか」とは?
簡単に言うと、
「このブランドって、何のためにあるの?」「私にどんな価値をくれるの?」を伝える言葉やストーリーです。
一言で「このブランドは〇〇です」と言えること。
そして、話すと「へぇ、いいね」と思ってもらえることが理想です。
◆なぜ重要なのか?
- お客様に「選ぶ理由」を与えるため
- 自分たちの価値を、言葉にして再確認するため
- 社内・社外のコミュニケーションを一貫させるため(共通の言葉になる)
◆良い説明の条件
条件 | 解説 |
---|---|
短くてわかりやすい | 子どもでもわかる言葉で。専門用語を避ける |
感情が動く | 「すごい」「使ってみたい」と思える |
ベネフィット(顧客の得)にフォーカス | 商品の特徴より、「どう役に立つか」 |
Why(なぜやるのか)まで語る | 想いがあると共感されやすい |
◆説明の構成:3ステップで考える
①「なぜやっているのか」(理念・背景)
- どんな問題を感じていて、それをどう変えたいのか?
- なぜこのブランドを始めたのか?
👉 例:
「私たちは、“働く女性が安心してキャリアを積める社会”をつくりたいと思っています。」
②「何を提供しているのか」(具体的な価値・サービス)
- 商品やサービスを通して、何を届けているのか?
- お客さんにとっての“プレゼント”は何か?
👉 例:
「そのために、子どもを預けながら働ける“シェアオフィス付き保育園”を運営しています。」
③「どんな未来に導くのか」(ブランドのビジョン・変化)
- このブランドがあることで、どんな良い未来が実現するのか?
- お客様の生活・社会がどう変わるのか?
👉 例:
「私たちが目指すのは、“育児と仕事の両立が当たり前の社会”。その第一歩を、あなたと一緒に。」
◆実例で見る
- Apple
「誰でも使えるテクノロジーで、創造性を解き放つ」 - スターバックス
「一杯のコーヒーから“心がほっとする場所”をつくる」 - ライザップ
「結果にコミット。あなたの人生を変える」 - Oisix(オイシックス)
「安心で美味しい食材を、農家からあなたの食卓へ」
◆NGな説明の例
- 「当社は1999年に創業し、従業員はXX名で…」
→ 歴史や規模ではなく、「あなたに何をくれるのか」が大事 - 「〇〇技術を用いた製品で、〇〇処理を実現しています」
→ スペックや機能ではなく、「それがどう良いのか」が伝わらない
◆テンプレート(応用可能)
「私たちは、(社会や顧客の課題)を解決するために、(具体的な商品・サービス)を提供しています。そして、(理想とする未来)を目指しています。」
◆まとめ
「ブランドをどう説明するか」とは、
“顧客にとっての価値”を、情熱とともに、わかりやすく語ることです。
スペックよりも、「想い」「変化」「得られる幸せ」を伝えると、心に響きます。
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